「会社に連絡があって初めて知ったんだぞ!娘の状況さえ知らないのかと言われて恥をかいたぞ。」
笑いながら言うお父さんに続けて、お母さんが言った。
「それにしてもびっくりだわ。成績なんてとっくの昔に諦めて、元気でいてさえくれればと思っていたから…。」
「生温かい保護者目線、どうも。」
「とにかく、これで安心した!仕事に変なプレッシャーを感じないで済むな。」
「全くだわね。」
相変わらず笑うお父さんにつられたのか、お母さんまで笑い始めた。私の乾いた笑いに気づく事もなく。…ハイテンション、以外の言い方がない…。
両親の本音を垣間見た私は、落胆していた。正直言って、誰かがトリストを止めてくれれば、と心の中ではいまだに思っていた。私は、できるだけ早くこの場から逃げ出す方法を考えた。