「ただいま…。」
久々に目にする、外から見た家の明かり。どうやら今日は、親が私よりも先に家に帰っているらしい。
「おかえり、結乃。」
「ただいま。今日は早…。」
「お、帰ってきたか!」
「お父さんまで…?」
ここまで来ると珍しい、というよりも、意図した何かを感じずにはいられない。背筋を嫌な汗が通った。
「トリスト出場なんて大切な事、どうして黙っていたんだ!全く、結乃も人が悪いな!」
嫌な予感は最悪の形で的中。むりやり座らされた椅子は、とても居心地が悪いような気がした。…心境の変化が椅子の座り心地まで変えてしまうとは…。