「この野郎…!」
凰くんが、ふらふらになりながらも立ち上がった。
「ふざけんな…お前ら…!」
その目には、本気の怒りがにじみ出ていた。
「ちょっとはその頭使って考えたらどうなんだ?自分たちのやってる事が、どんな重罪かっていうのを!」
「罪?私達が一体、何の罪を犯したと言うのだ?」
「とぼけるな…。まぁいい…。これで終わらせる…!シー!」
二人が同時に呪文を詠唱すると、ディゾンの三人がその場で倒れた。
「…?」
イマイチ状況が飲みこめない。一体、凰くんは何をしたの…?
「簡単ですよ、先輩。須木本先輩の研究室とここを魔法で繋げて、あの三人の口元にキセノンを噴射したんです。あれは麻酔になるので、ちょっと眠ってもらいました。あとは、警察が来るのを待つだけですね。」