「まだ見ぬ…相手…?」
「そう。私達がトリストで勝った時、本来はそのままディゾンへ連れて行くつもりだったのだが、しばらく泳がせようと思ったのよ。どうせあなた達は負けるものね。」
「あんまり調子に乗らないで…!」
私は本気で怒っていた。こんな狂った人間が、女帝だと言われてもてはやされているなんて。
「櫻ヶ城翔は、心を読む能力の事を知っているわよね?」
「…よくご存じで。」
「当然だ。喜多村圭として櫻ヶ城翔に教えたのは、私だからな。」
「なっ…!」
「騙したの、翔を?」
「いずれ分かる事。先に教えたところで、特に影響はないでしょう?」
「…狂ってますね…!」