私達は走り出した。ついに…ついに助かるのだ。今までの努力が、実を結ぶ時がついに来たのだ。
「これ…間違いないですよ!」
「これを飲めば、結乃は助かるんだにゃ!」
泉に口を近づける。清らかな水がゆるやかに波打ち、映った私の顔を揺らす。
「…バイバイ、魔吸石。」
まさに、水を飲もうとしたその時…。
「うっ…!」
私の後ろから、鋭い電気が走る。
「きゃぁぁぁっ!」
いつの間にか、私は吹っ飛ばされていた。
「危ない危ない。危うく貴重な魔吸石を失うところだった。」
「…こんなところまで…!」