「こうやって…こうして…よし、これで大丈夫です!」
「すご~い、凰くん!さすが、シーほどの魔獣を従えてるだけあるわね。」
「…結乃、すごいのか違うのか、どっちかにしてくれにゃ…。自分でもだんだん、強いのか弱いのかが…。」
「もちろん、強いと思ってるわよ。」
「…そういう事を言って、また次の時には弱いとか言うんだからにゃ…。」
「言わないわよ、このスットコドッコイ!」
「ほら、やっぱり~。」
シーをこんな状態にさせるほど私が称賛した、凰くんのアイデア。それは、いたってシンプルなものだった。
「迷いたくないなら、目印をつけておけばいいじゃないですか。だから木に、何かくくりつけておきましょう。えっと…あ、ハンカチでいいか。こうやって…。」