「うぅ…こんな森、早く出たい…。」
思わず漏れ出たつぶやきは、震えていた。もうかれこれ一時間は経っているだろうか。私達はまだ、この森から抜け出せずにいた。
「ねぇ、シー…。これで本当に合ってるの…?」
「合ってるはずだにゃ。」
「その『はず』が怖いんだけど…。」
「森に入ってからは、よく覚えて…。」
「『覚えてない』とか言わないでよ…?」
「うっ…図星だにゃ…。」
引き返した方がいい気もしたが、私達はこのまま歩く事にした。仮にもシーは魔獣だ。こういう事は、人間よりも知っているだろう。
「そうだ!俺、いい事思いついちゃいました!」
「え、何?教えてっ!」