「全く…。でも、腹が減っては何とやら、って言うしな。どっか手頃なホテル探すか。」
ホテル(と言うより、宿屋)は、案外簡単に見つかった。
「いらっしゃい!」
カウンターには、宿屋の主人と思われるおじさんがいた。鼻の下に見事な髭を生やし、おまけにサスペンダーさえも着けていた。…マ●オだ。
「えっと、五人部屋ってありますか…?」
「五人?…残念だけど、今はないね。その代わり、二人部屋と三人部屋とならあるよ。」
「あ、じゃあそれで…。」
言い終わってから、私は気づいた。
「凰くん。」
「はい?」
「…また、一緒に寝る事になっちゃったね。」