「ここか…。」
「一見『秘境』には見えませんね…。」
「どっちかって言うと『田舎』だにゃ。」
「うぅ…やっと陸だ…。」
「ドラ●エか、これは?」
「ここに…治癒の泉があるのね…。」
私達がたどり着いたのは、RPGくらいでしか見た事のないような田舎町だった。日はもう落ちかけていて、町には明かりがともり始めていた。
「さてと、ここからは歩いて移動する事になるんだが…。」
「その前に休まないか、須木本…。正直、俺限界だ…。」
新先輩の言葉を遮り、爽汰先輩が苦しそうに言う。無理もない。さっき船で、盛大に吐いたのだから。