私は、凰くんを抱きしめた。
「私には…涙見せてもいいよ？私も…好きだから。」
とても言うのが恥ずかしい言葉を、とても自然に言っていた。ここまでためらいなく言えたのは、やはり、私も好きだから。その思いが通じるという事が、確定していたから。
「…結乃先輩…。」
凰くんは私の顔に自分の顔を近づけ、寄り添うようにキスをした。唇の感触を直に感じ、私の顔も凰くんに負けないくらいに紅潮する。
「…あ…。」
凰くんが唇を離し、私に言った。
「どうしたの…？」
「いや…櫻ヶ城先輩は、どう思ってるのかなって…。」