船を乗り継ぎ、はや四時間。
「うぅ…。」
乗り物が苦手だという爽汰先輩はすっかりグロッキー状態だというのに、船は一向に秘境に着かない。
「大丈夫ですか、爽汰先輩?」
「うぅ…吐きそう…。」
「ちょ、ちょっと待ってて下さい!何か袋持ってきます!」
「いや、大丈夫だよ…。袋なら用意してるから…。」
さすが先輩、ちゃんとしてる。
「結乃先輩。」
後ろから凰くんが声をかけた。
「ん?」
「ちょっと…いいですか…?」
「うん…あ、でもちょっと待って!爽汰先輩、吐くかもだから…。」