「何だったんですか、あの人…。」
私の声は震えていた。
「ディゾンコーポレーションって知ってるか?」
「ディゾンコーポレーション?」
「表向きは魔法研究の会社なんだが、裏では珍しい能力を持ってる人間を誘拐して、実験台にした上で最後は殺す…こういう組織だ。」
「能力…ひょっとして、私が狙われたのって…!」
「ああ。インファントムを狙ってるみたいだな。…でも、それだけじゃない。今の結乃が狙われるもう一つの理由は、お前の体内の魔吸石だ。」
「そんな…じゃあ、私はこれから命を狙われながら生きて行かなきゃいけないって事ですか…?」
さっきよりも震えた声が、私の口から発せられた。