「凰くん!」
凰くんは意識を失った。だが、私の手は握ったままだった。
「シー…何とかできないの…?」
「いや…今できるのは、インファントム返しに必要な力を貸す事だけだにゃ…。」
「そんな…。凰くん…、お願い…死なないで…!」
その時、私の頭にある考えが浮かんだ。それは私の体を滅ぼす事になりかねないけど、でも、凰くんも決死の覚悟で私を救おうとしてくれているんだから、私も…!
私は脳内で、シーに話しかけた。
「シー、禁忌の魔法の呪文って分かる?」
「分かるけど…どうする気だにゃ?」
「教えて!凰くんを…死なせたくないの!」
「…分かった。教えるだけ教えるにゃ…。」