「魔吸石に魔力を吸い取られてるんだ、今の結乃は。」
「魔力を…吸い取ってる…?」
「ああ。インファントムが生みだす魔力を、吸い始めてる。この頃お前がすぐ体調を崩したりするのも、それが原因かも…。」
その時、ドサっ、という衝撃音が部屋の中に鈍く響いた。
「何…?」
「何だ…って、おい!宇佐木!」
私は右手の方を見た。そこには、生気を失った顔で私の手を握りながら倒れている、凰くんの姿があった。
「凰くん!?」
「あ…先輩…よかった…起きてくれて…。」
「ちょっと…どうしたのよ…?」
「心配には及びませんよ…。ちょっと魔力を返しすぎただけですから…。」