「え…私?」
イマイチ状況を飲みこめない私に向かって、先輩はさらに続けた。
「お前の体…魔吸石が入ってるらしいな…!」
「そうですけど…。」
「何でだ…?」
「何でって…何か問題でも?別に私、禁忌の魔法なんて使ってないし…。」
「いや、結乃の場合は特殊なんだ。インファントムから流れる無限の魔力を…吸い始めてるぞ、魔吸石が。」
「えっ…。」
その瞬間、視界が真っ暗になった。体の平衡感覚がおかしくなり、地面に倒れた。
「…!…!」
皆の声も聞こえなくなる。もっと新先輩に聞きたい事があったが、私は意識を手放してしまった。
私のトリスト以上の戦いが、幕を開けようとしていた…。