タッチで恋愛!魔法大会トリスト

「先輩に…触るなぁぁぁ!」
凰くんの怒鳴り声。その瞬間、私とセバスチャンとの間を何かが横切った。
「なっ…!」
セバスチャンがニ、三歩引き下がる。その何かが行った先を見ると…そこには、魔獣の一種、フェニックスがいた。
「二体目か…!」
「まだ終わったと思うなよ…!」
セバスチャンの腕に、何かが噛みつく。そのまま、彼女は倒れた。
「フェンリル…!?三体目まで出すとは…。」
「これで終わりだ…!」
倒れた彼女の体を、何かが踏む。
「スレイプニルまで…こんなに強い魔獣を出すなんて、どうあがいても三体が限界のはず…!」
驚いた様子の彼女を尻目に、凰くんは私に言った。
「今です、先輩!櫻ヶ城先輩の神器、先輩なら使えますよね?」