タッチで恋愛!魔法大会トリスト

「いい事を教えてあげる。このチームには、攻撃担当が私しかいないの。あとの二人は回復担当。…今までに出番があった事がないんだけど。」
「…調子に乗らないで…!」
「シー!」
凰くんが指笛を鳴らし、シーを呼ぶ。
「あらあら、可愛い猫。…でも、こんな脆弱な魔獣を呼びだしたところで、一体何ができるの?」
「それは今から分かる事だにゃ…!」
シーが氷の竜巻を作りだす。だが、それはセバスチャンの前で簡単に消されてしまう。
「だから言ったじゃない、脆弱だって。」
セバスチャンの履いている、学生には似合わない高いヒールの音が、カウントダウンのように響く。
「王者に立ち向かうには、相当の覚悟がいるのよ。」
再び、雷の腕が振り下ろされようとする。私は死を覚悟していた。最期にこんなに憎しみを抱いて終わるなんて…。