翔は、私の事を思って救急車を呼んでくれた。なのに私が無理して出たところで、それは翔の思いやりを踏みにじる事にもなりかねないのではないだろうか?
だが、私はそれでも出る。ここまで頑張ってきたんだから。私だけじゃない。私を仲間として暖かく迎え入れてくれた、皆のためにも。
「おい、やめろ結乃!」
先輩の制止も聞かず、私は傍に畳んであった服を着ると、病室を後にした。私の足は、着実に会場へと進んでいた。
待ってて、皆。私、行くから。