翔の怒鳴るような声が聞こえる。でも、返事ができない。
「おい、結乃!」
翔が私の額に手を当てて言う。
「熱っ!めっちゃ熱あるじゃねーか!やっぱり無理しすぎだっつーの、お前。須木本先輩から言われただろ?」
「何…が…?」
力を振り絞り、どうにか声を絞り出す。
「インファントムは、あんまり短時間に何度も使いすぎると自分の体が壊れるって…。」
初耳だった。いや、どこかで言ってたっけ?思い出せない。
視界が白く遠のく。音という音全てが小さくなっていく。体の感覚が、末端から消えていく…。