タッチで恋愛!魔法大会トリスト

信じたくない。
凰くんも私も、シーさえもこんなに頑張ったのに、何で何も変わらないの?何で「普通の人間に」戻れないの?よく言うよね、「努力は必ず実る」って。嘘じゃん。私達の努力、実ってないじゃん。
こんな怒りが、私の心を蝕んでいった。
「泣かないで下さい、先輩…。」
「それは私のセリフだよ。凰くん一人が背負う必要ないじゃん。私も…悔しい…!」
涙を拭く事も出来なかった。そんな私を凰くんは、強く強く、抱きしめてくれていた。
「結乃先輩…俺、先輩に会えて本当によかったです…。ありがとうございました…。俺…先輩の事、好きです…。」
私の涙は、凰くんの肩を濡らしていた。何もできなかった、その空しさと情けなさが、まだ残っていた。
返事すらできなかった。それでも、伝わってるかな…。