「お前も、なかなかに意味不明だな。」
そう言うと、翔はさっきよりも強く私を抱きしめた。そして、キスをした。今度は、軽めに。
「…もう一回、いいだろ?」
「…別に。」
別に、私も本当はキスしたいような気もするから…。
いつしか、私はそんな事を思い始めていた。そして、そんな私の唇には、翔の唇が。
甘い。実際には甘くはないんだけど、でも、甘い。目を閉じると、その甘さが倍増する。翔の存在を間近に感じる。試合で魔力を消耗した翔に、魔力が流れ込む。このまま、ずっとこうしていたい…。
その時、私の脳内に声が。
「夜分にすみませんだにゃ。」