試合からの帰り、私は終始無言だった。試合後のインタビューには、どうにか普通に答えたけど、これが限界だった。二度目なんて、もう…。
「大丈夫か?」
翔が私の顔を覗き込んで言う。
「…責めないの?」
「責める?」
「だって、私のせいで負けるかもしれなかったんだよ?翔の努力も、凰くんの頑張りも、爽汰先輩の応援も…全部無駄にするところだったんだよ?私…自分が情けない。」
こんなに素直に自分の気持ちを吐露できたのは、やはり傍にいるのが幼なじみの翔だったからだろう。
「…結乃は真面目だな。」
「え…?」
「そんな事気にするとか…。」
「そんな事って…。」