「先輩は、もう風呂も晩飯も済ませたんですよね?」
「うん。さすがにそれも凰くんの家で、っていうのはちょっとな~って思って。」
「ですよね。」
時計の針は、十時過ぎを指していた。
「じゃあ…寝よっか、凰くん。」
「…はい。」
私の緊張が、ぶり返してきた。かと思えば、それは凰くんにも伝染していた。
「…何で『一緒に寝る』なんて方法なんでしょうね…。」
「でも、それが解決策なんだから、私はやるよ。凰くんも、ね?」
「はい。」
「お二人さん、いい感じだにゃ~。」
後ろから声がした。