でも、紺が口を閉じる気配が全然ない。


このアヒル……どうしたらいいんだよ!!



とりあえず、スプーンにオムライスを乗せる。


すると、早く、と言ったように近づいてくる紺。




「……ち、違う! これはあたしが食べる分だか……らッ!!?」




不意に右手に重みを感じて、声が裏返った。


目をやると、スプーンをくわえる紺。


そのスプーンを持ってるのは、あたしの手で……。




「あー、おいしかった。たまにはトマトもいいねー」


「こ……紺ッ!!? お前……勝手にィ……!!」


「アズ顔赤いよー? トマトソースと同じ色」


「ふ……フザけんなァ!!!」





       Fin.