「……どうぞ、紅茶です」


「ありがとう、た、拓……」


「……拓土です」



……やっぱ区別つかなかったか、拓土と拓海。


それなら無理して呼ばなくていいのに。




「そうだ俺、手土産持ってきたんですよ。
 フランスの紅茶です。
 紅茶といえばイギリスですが、フランスでも有名なものはあるんですよ」



紅茶を一口含み、紙袋を取り出す紺。


そういえば電車乗ってるときからずっと気になってたんだ。



「……少し台所お借りしますね」


そう言って紺は勝手に入ってしまった。


だけど、ポットを持ってすぐに帰ってきた。