「……アズ、料理できんの?」


「バカにすんな! 寮に入る前は、弟の面倒あたしが見てたんだから」




キッチンに向かうあたしに紺が声をかける。


……確かに寮生活では一回も料理してないけど。




「でもアズ……いいよ。
 あんま食欲ないし……アズ食堂で食べてきなよ」



寒気がするのか、布団を引き寄せて笑う紺。


38度を超えてるのに……明らかにヤバい。



「だめ、ちゃんと食べないと。あたしが許さねェ。
 お粥作るから、大人しく寝てろ! 病人め!!」



今日ばかりはあたしに軍配が回っている。


紺もしぶしぶといった様子で頷いた。