バックヤードユニオンは目が合った生徒を一人残らずつかまえ、名前や学年、クラスを聞き、そして何もしていないのに校庭を走らせた。


昼になると、朝バックヤードユニオンに捕まった生徒が校庭に集められ、昼休み中走らされた。

「これだけやれば悪さするやつも出てこなくなるかもな」
グラウンドに立ち、走る生徒を見ている一斗がいった。

「まだ足りないな。これからは連帯責任だ。そう教頭はそういったぜ」
雄大がニヤリと笑う。
体は大きく山みたいだ。

「ま、これからが楽しみだな。どうなるか、ゆっくり見物させてもらおうか」
松夫がいった。

「悪人みたいなセリフだな、松夫君」
総太がいった。

「人聞きが悪いことをいうな」
「あんたは悪人だよ」
「どうとでもいえ」