部屋に帰ると、ベッドに寝転がった。

寝付けない。

私は雪見に電話をかけた。


「まだ起きてた?」

「今練習から帰ったところだよ」

「そう、体の調子はどう?」

「悪くないさ。何か話があるんでしょ?」

「うん。茜と仲直りしたんだ」

「ほんとに!よかった!」

「うん、でも何か複雑で」

「どうして?」

「私、増田に何て声をかけていいか分からない」

「何で?」

「茜がね、私が増田と結ばれるのが一番自分も幸せだっていってくれた」

「自分の思ったとおりにすればいい」

「思ったとおり……。それが分からないんだよ」