その日を堺にバックヤードユニオンは弱体化していった。

ブラッククラウンは目的をとげたのだった。

茜から電話が来たのは、それから数日経ったころだった。

「今何やってる?」

「部屋でテレビ見てるよ」

「出れる?」

「うん」

私たちは公園で会った。


「映美」

「何?」

「ごめん」

「え?」

「私考えたんだ」

「何を?」

「増田君のこと」

私は公園から見える夜の街の灯りを見ていた。

「私諦めたから」

茜はそっといった。

「そう」

「映美、増田君には、映美しかいないんだと思う」

「え?」

「増田君と幸せになって」

「私もごめん」

「いいの、映美が幸せになってくれれば」

「本当にいいの?」

「うん。だって映美は私の親友だから。今迄冷たくして本当にごめんね」