「…ご馳走様でした」

今日の朝食は、朝に弱い私のために軽めのメニューになっていた。

「…」

最近つくづく思うが、心做しか彼の料理に磨きがかかったように感じる。

「…今日は、このあとどうしようか?」

穏やかな口調で問われ、しばし逡巡する。すると壁に掛けられているカレンダーに目が止まった。

(…あ、もう2月なんだ…)

右上に大きく「2」と書かれたカレンダーは、「14」のところに小さくしるしが付いている。

「あれ、この日って…」

「え?」

思わず考えたことを口にすると、慌ててカレンダーの前に立つ彼。

「な、なんでもないよ、なんでも」

なにかを隠すような声音に、私は胸のざわめきを感じた。