「…ねぇ、お兄ちゃんは何処か遠くに行っちゃうの…?」

お姫様抱っこをされ、私は家へと向かっていた。

「……どうしてそう思うの?」

優しい声は何処か儚くて、先程の出来事も合って、私は不安を覚える。

「…大丈夫だよ、ボクは何処にも行かない」

彼はそこで言葉を切るとひとつ息を吸って



「…それに、もし遠くに行っても絶対君を見付けるから」



額に優しい口付けを落とした。