どのぐらいそうしていたのだろう、気付けば彼の腕の中で眠っていた。 「…大丈夫…?」 ふと上を見ると心配そうに此方を見詰める瞳が目に入る。その瞳に吸い込まれるようにして私は起き上がった。 「泣き疲れたのかな、もう帰ろうか?」 気遣うような声に申し訳なくなる。 私は頷くと彼の肩に掴まった。 「…抱っこ…して…?」 「いいよ」 ふわっ、と持ち上げられ私達は丘をあとにする。 空模様が、段々灰色味を帯びてきた。