「また来ようね」 彼は言うと来た時と同じように私の手を引く。転ばないように気を付けながら歩くと不意に彼が立ち止まった。 「どうしたの?」 不思議に思い尋ねると彼はゆっくりと此方を振り返る。 「さく、……悪いんだけど先に帰ってて貰っていい?ちょっと用事を思い出しちゃった」 「いい…けど…」 「ありがとっ」 そう言って駆け出す彼に私はあの時と同じ不安を覚えた。