「 でも、日本で上手くやって行けるかなぁ?」


私にとっては、英語が当たり前で
日本語は家族と話すとき以外は使わないから。


「 大丈夫。夢と澪なら大丈夫!
たまには手紙を出すよ。」


お父さんは私たちに向かって微笑んだ。






そして、別れの時がくる。






日本で暮らす家は、一軒家だ。



近くには坂があって、お店もたくさんあるらしい。




「 澪は楽しみ? 」


ゲームをしている弟に話しかける。



「 俺、アメリカにいると…モテるから。だから、日本に早よ行きたい。」




コイツ…。


澪がモテるのは事実だけど。
なんかイライラするんだよなぁ…。



日本への便は

一日に数便しか飛ばない。



「 お父さん元気で。」

私は涙目でお父さんにさようならを。
澪も。必死にお父さんに手を振る。


「 香。またな!
元気な子を産むんだぞ‼︎」


お父さんがお母さんに喋る。


お母さんは「 わかってる」と
笑いながら言った。



太陽が出ていて、すごく暑い夏の日。



まるで太陽も、私たちの別れを見に来たみたいだった。



そして、私たちを乗せた飛行機は
日本へと旅立つ