「あぁ…そうかもな。
空…か。
よく考えれば、すごい身近だよな。 」



「うん…





私が…私が死んだら、私は空に帰るんだよ。だから、私がいなくなったら、空を見て…?

空は私だから…


だから…「 夢! 」



仁が私の肩をそっと撫でる。


「 なに言ってんだよ。
夢、生きてるだろ。」


仁が私の手を握った。



「あったかい、だろ…? 」




人の手はいつも温かい。



仁の手も。





いちかの手も…温かかった。



私の涙が、仁の手の甲に流れ落ちた。







「 ほら、涙を流せる。


生きてるだろ。



死ぬ、なんて言葉一生使うなよ…。



確かに…抗がん剤の治療は辛い。

俺はよくわかんねぇけど…辛いと思うよ。苦しいと思うよ。


でも、前向くんだろ?

弱い心に負けないって誓ったんじゃないのか?」