病気になってから、
口から血を出し、僕はルーを寄せ付けなくなりました。

「汚い…」と思うようになったのです。
あんなに可愛がっていたルーを
僕は汚いと認識するようになったのです。

自分が信じられなくなりました。
薄情な奴だと責めました。
でも遅かったのです。

家に帰って来た時、
「ルーは?生きてる???」と姉に聞くと
姉は静かに首をふりました。

そこには、ベッドで気持ち良さそうに
眠るルーの姿がありました。
死後硬直が始まっていて
剥製のようにカッチこっちに固まっていました。


僕は泣きませんでした。
絶対泣かないと決めていました。

ですが、ルーを回収しにきた
ペット葬儀?の人が
「最後に言いたいことはありますか?」と聞いて来た時

姉は「ばいばい」と言ったのですが
僕は何も言えず、涙を堪えていました。

そしてルーを見送って
姉が「行っちゃった…ルーちゃんが行っちゃった」と言った瞬間に

泣いてしまったのです。