あいと優貴が付き合い始めて数週間がたった。


今まで優貴といて片思いの苦しみとか、そういうのを感じたことはなかった。

そのやる気のなさげな横顔を見ても、切ないとか、そんなこと思わなかった。


でも今は―


優貴が誰かのものになってしまった途端、その全ては苦しみに変わった。

その横顔も、笑顔も、優しささえ全部。

こんなに苦しいのは、きっとその相手も私にとってすごく大切な人だったから…







「マキー!見てみて~!」


いつも以上に元気なあいは、私にプリクラを見せてきた。

優貴と、あいの2ショット。

このブルーな気持ちと、そのプリクラの二人の笑顔が重なって、さらに思い悲しみとなった。


「いいね、良かったじゃん!」


「もーそんな顔しないでよー。本当はマキも連れてくつもりだったんだから。」


精一杯自然な笑顔を向けたつもりだったが、どうも引きつった笑顔になってしまっていたらしい。


「今度はマキも一緒に行こうね!」



「うん…」



悲しみは、募るばかり。