あともう少しで始まる披露宴へ向かう。
太郎には悪いが和子と太郎の披露宴を見るはずなのに頭の中に浮かぶのは何度も見た和子と和兄のキスシーン。
確かに和子は幸せそうに微笑んでいた。
でもな、和兄…。
和兄も負けねぇぐらい幸せそうに笑ってたじゃねぇか。
大切なものを守るように和子の腰をしっかり抱きしめてじゃねぇか。
そんな2人が俺は羨ましく、正に理想の恋人像だった。
だからこそ、2人が別れて悲しかったんだ。
だからこそ、最後の悪あがきのように和兄が吸う煙草を和子の目の前で吸ったんだ。
俺はあの時和子が何もかも投げ出して和兄の元へ逃げてほしいと強く願った。
でも結果は俺の負け。
和子は頑なに自分の気持ちを曲げなかった。
もしかすると和兄は和子の性格を知ってて和子を奪い返すような行動をしなかったんじゃないんだろうか。
まぁ、今さらそんなこと考えても仕方ない。
2人とも自分が願う道を選択しなかった。
それで終わりだ。
だからこそ切に願う。
できれば…できればいつかこの2人が自分の気持ちに素直になり、またあの幸せそうな2人になれるように…。

