和輝Side
陽菜が恥ずかしそうに俺にデートしたいと言ってきた。
しかもその日は俺の誕生日。
去年の失敗を今年は挽回しようと考えているのが分かって一生懸命に頼んできた陽菜の顔がとても可愛かった。
口元が緩みそうになるのを必死に耐えていいと伝えると陽菜は嬉しそうに笑ってお礼を言って去ってしまった。
俺の言葉に反応する可愛い恋人に嬉しくなりながら歩いていると後ろから背中を叩かれた。
「和輝!何か嬉しそうじゃん♪」
ニヤニヤしながら俺の顔を見てきたのは自称親友の架李だった。
「別に何でもない。というか邪魔だ、どけ。」
俺の行く道を塞ぐように立つ架李にイラッとしながらそう言うと架李は余計にニヤニヤとしてきた。
「また、そう言っちゃって・・・陽菜ちゃんとのデートが楽しみだからってなぁ・・・・・・。」
「どうして、架李が知っているんだ?」
「そんなん、ちょっと考えれば分かるって!」
架李の言葉に俺は更にイライラしながら架李を無視して歩くと架李は俺の後ろをついてきた。
「それで、デートはどこに行くんだ?」
「今回は家だ。どこかに行く予定はない。」
「ふ~ん、まぁいいんじゃねぇの?たまにはのんびりってのも・・・。」
「そうだな・・・。」
「でも、家ってことはそういうことだよな?」
意味ありげな言葉を言い首を傾げる架李に俺はキョトンとした。