何の躊躇もなく灰原は重みのある木の扉を開け、カランと高い音を鳴らせたベルに現実に引き戻された。 「いらっしゃいませ、ん、あれ」 出迎えてくれたのは、相も変わらず良い男ぶりを発揮する人。白地のシャツが眩しい。あたしがこの間のお礼をいうために口を開く瞬間、久城さんは衝撃の言葉を落とした。 「千景?珍しいな」 知り合いでしたか!