「無理」 灰原はぴくりとも表情を変えない。だけどその刃物のような空気で分かる。…物凄く不機嫌だ。 あたしは、はあ───と溜息を落とす前に手を振りほどいた。僅かな雨が制服にぽとりと落ちる。 「君って、ほんとムカつく」 「ならば視界から削除してください」 「それは無理」 冷ややかな程整った顔が少し笑った。