「千鶴ちゃん、ここが俺の行きつけの呉服屋さんだよ。いい着物を売ってくれるんだよ」

「そうなんですか。朔弥の行きつけの呉服屋さんなら楽しみです!」

「それは良かった。じゃあ見ようか」

はいっ!てまた元気良く返事して千鶴ちゃんは呉服屋の中に駆けて行った

「おっ!朔弥くんやないどすか!今日はどないな用事できたんどすか?」

「あ!女将さん!今日はね屯所に来た子の着物を買いに来たんだよねーあと、俺の着物もついでにね」

「そうなんどすか!昨夜くんの着物は仕事用か普段用どちらではりますか?」

「うーん…今日は仕事用かなー町娘の着物と少し派手めなのをお願いできる?」

「はいはい分かりましたよ。なら、こちらなんてどうどすか?」

女将さんが身してくれたのは、桃色が主体で桜がたくさん書いてある淡い色の着物だ
派手すぎず、地味すぎないとても可愛らしい着物だな

「おっ!それ可愛いねーじゃあ、それと、派手目なのはこれでいいかな?」

あたしが選んだ派手目なものは、赤色や朱色が主体で金色の刺繍が施されている花魁にも劣らない位派手な着物
あたしの趣味ではないけれど、とても綺麗な着物なんだ

「さすが朔弥くん。それうちの自信作なんよ!」
「おっ!それは凄いね!じゃあこの二つ頂戴」

「かしこまりました。あと、お連れ様の子はどうなさいました?」

「あっ!やべっ忘れてた」

「朔弥ーー!この袴どうかな?」

猛ダッシュで来た千鶴ちゃん

「危ないから気をつけてね?その袴凄くいいね!よく似合うと思うよ」

「えへへ、ありがとうございます!」

「あ、あと寝巻きと着流しとかも必要だからね」

「はーい!分かりました」

「なんや?可愛らしゅう女の子ではりますな朔弥君の恋仲かい?」

「女将さん違うって。彼女は新選組に身を置くことになった千鶴ちゃん。江戸から来たみたいで今日が初めて京の町に来たんだよね。だからあんなにはしゃいでいるんだよ」

「あら、そうなん?残念やわぁ」

「残念ってなんや残念って」