「もしかしたら変わってくれるかもしれないから」 「・・・・・そっか」 他にも言いたいことはあったが、俺はそれだけしか言わなかった。 というより、言えなかった。 夕美はまだあんな奴が変わってくれると信じてる。 でも、絶対変わらないという保証はどこにもない。 「なんかあったら、俺に言えよ」 今の俺には、こんなことしか言えない。 「うん、ありがとう」 夕美は、少しだけ笑ってそう言った。