「もったいねぇよ。うまいのに」 もう一度蒼佑がそう呟いたとき、 「こら」 俺らの後ろから低い声が聞こえたかと思うと、二人して軽く頭を叩かれた。 「式の最中だぞ。おしゃべりは教室に行ってからにしろ」 チラリと後ろに視線を向けると、そこには教師と思われる人物が、眉間に皺を寄せながら立っていた。 「「はーい」」 俺らは先生が去っていったのを確認すると、顔を見合わせて苦笑いした。