神様なんて、信じない。 信じてないけど・・・・・もし、本当にいるのなら、夕美から病気を取り払ってください。 俺から夕美を、奪わないでください。 「夕美を・・・・・連れていくなっ・・・・・」 「ははっ、健ちゃん。その顔どうしたの?」 病室に入ると、ベッドに横たわる夕美は俺の顔を見て力なく笑った。 「こっち来る途中、泣ける本読んでたんだよ」 俺は、夕美に心配をかけないように嘘を吐く。 「そんなに感動する本だったの?」 本当に騙されたのか、それとも騙されたふりをしてくれているのか。