「……木下先生」 「どこからわかんない?」 無愛想にそう尋ねると、彼は私が指で示したところから説明を始める。 「…だからここはこうでこう。わかった?次の問題も同じやり方でできる。」 「あ、ありがとうございます」 「ん。」 慣れたように説明を済ませた彼は、私の斜め前の席の人物に目を止める。 あ……沢田くん、まだ寝てる…… そう思ったときには、もう遅い。