……黒猫拾って以来、何かこんなのばっかなんですけど。



何故か大人しいアリス。



どうして肝心な時に限って、こんなに大人しいの!?



……こんな時にあれだけど、店長の顔整いすぎだよ。



見つめ合っていると、その気がなくてもドキドキしてくる……。



無言の私に追い討ちをかけるように、店長が耳元で囁く。



「イイコトしようか」


その言葉にドキンと心臓が慌ただしくなり、期待してる自分がいて――私は、店長に従う。



まるで導かれるように。



「……ん、ウマイ」

「……」



恥ずかしさのあまり目を逸らしていたら、指を甘噛みされる。



「んっ……て、店長」

「恭夜」

「え……?」

「名前で呼んでくれなきゃイヤだ」



そう言って、私を壁際に押しやり、首筋に噛みつく。