カフェに着くと、珍しく客がいない。暇なのか、店長の恭夜がダーツの矢を投げているとこだった。



暇潰しにやってるらしく趣味ではないらしい、でも……絶対外さないんだよね。



「ん? アンタ今日休みでしょ?」

「たまたまですよ〜あはは」


もう苦笑するしかない。



「オレに会いに来てくれたんじゃないんだ。残念、まあいいや。で、どうしたの?」

「ちょっと朝食を……朝、食べられなかったので」

「了解。じゃあ今日はオレのおごりね」

「わーい!ありがとうございます店長」



ニッコリ微笑むと、店長はキッチンへと消えていった。



すると、アリスがかばんの中から顔を出す。



『なんだあの優男は?』

「アリスは黙ってて」



アリスが何か騒いでるけど、無視してかばんの奥へ押し込む。とにかく無理やり突っ込む。



これはアリス談だけど、かばんの中でも息はできるとの事。



……最近の吸血鬼って、便利だなあ。