ーカリカリカリ

いつも通りの毎日。
『ねーねー。お昼食べに行こうよ』
『うん!いこいこ!』

そんな声が聞こえてくる。
まあ私には関係のない事だけど。

私は、遠山 希。高校2年。
私には友達がいない。両親もいない。今はたったひとりの祖母とふたりで暮らしている。


私は、他の子達から‘無感’と呼ばれている。理由は、簡単。

ー笑わないから。

ほら、また女子達が聞いてきた。
『遠山さんてさ、どうして‘無感’なの?』
もうこの質問には飽きた。
だから適当に答える。
『私、笑うのが苦手なの。』
『へ、へえ…そうなんだ。』
それだけいうと、そそくさと行ってしまった。
正直、自分でも分からない。
どうして自分が‘笑わない’のか。

そして、また今日が終わる。

でも、変わらない日常がある日変わった。…そう君と出会った日から。