どこをどうやって歩いたか覚えてない。
ずぶぬれになって、
とぼとぼと歩いて辿りついたお店。
すでにバイト時間なんて、
終わっていた。
……ホント、何してんだろ……。
最低。
仕事も無断欠勤しちゃった。
自分で自分の信用落として、
空回りばかりして、
ホント……何やってんだろう。
服も髪も鞄も
ずぶ濡れで……
べったりと肌に、顔に張り付いて……。
水を含んで少し重たくなった服は、
雨と共に、容赦なく体温を奪ったんだと思う。
雨の中、何度も身震いする体を
無意識に両手で抱きしめて……
その場で崩れ落ちる。
雨なのか涙なのか、
もうわからない。
ただ……どうしていいのかすら、
未来が見えなくて。
自宅兼お店の……居候先にも
帰る勇気がなくて。
成実と煌太さんの元も飛び出した。
帰る家も自分で閉ざした。
……ホント、
何してるんだろう……。
こんな自分は嫌い……。
大嫌い……。